知っとっけ?ブログ 経済

【所感】会社2・8の法則はきっと真理



2・8(にっぱち)の法則は、様々な局面で語られますが、こと会社組織に当てはめていえば、会社の発展に寄与している優れた社員が2割、残りは大勢に影響を及ぼさないもしくは、「使えない」社員が8割いることを指します。

使える社員が2割と言うのは心許ないと、スペックの高い社員を多数雇っても、雇った社員が思いのほか使えなかったり、これまで2割の側にいた社員がスポイルされたりと結局は2・8に落ち着くというのです。
優秀な社員が流出してしまっても、かつて8割の中にいた社員が育って結局は2・8に落ち着くというから不思議な話です。

この2・8の法則は恐らく科学的には実証されていないでしょうが、多くの人が感覚として実感していることです。一流と呼ばれるハードルの高い企業で相当な競争率を勝ち抜いた精鋭たちもいざ入社してしまえば2・8の法則に当てはまるように、使える人材と使えない人材とに分かれていくのです。

理想を言えば、社員全員が精鋭で、それぞれが局面を打開する力を持っている状態が理想でしょう。例えばV9時代の巨人軍や80~90年代初頭の西武など、個の力がチームの勝利という目標に向かって最適化されている状態は、無敵と言えるでしょう。しかしながら、会社組織は、利益を出すという目標の前に、部署ごとに与えられた役割も千差万別であるがゆえに、部署ごとの都合や論理が働いてしまう点においてスポーツチームとは異なる事情を抱えてます。

それぞれの部署の都合を強く主張してしまうと自部署は良くても他部署と軋轢を生む結果となりますし、あまり主張しないと自部署の不平不満を抑えることができません。本当は会社の成長を願いひいては自身の生活を豊かにしたい強烈な希望があるはずなのに、実際やっていることは「足の引っ張り合い」という笑うに笑えない事態が発生しているのが会社組織なのです。

こうした様々な思惑が複雑に絡み合っている中で、構成員全員が使命感に燃えた精鋭で、成長志向でかつ常に問題意識を持ち解決に全力を傾ける人材ならば、経営陣にとってこれほど「めんどうくさい」ことはありません。ただでさえ、部署の主張を押さえ、調整する立場の経営陣としては、相手の能力が高いとだましてすかして言い含めることができません。構成員の能力が高いことが却って会社の連帯を乱すことにもなりかねないのです。本音は、会社を牛耳っている人たちの立場が怪しくなる…というのが大きいですが。

その意味で、多くの経営者が口にする「優秀な人材が欲しい」というのは、あくまで8割の人の中で代替が利く業務の精度の高い人であって、決して2割の会社を動かす人材ではないことが多いのです。不思議と会社組織にも当てはまる2・8の法則は自然にそうなっているふしもありますが、実際は、経営陣がそうなるように望んでいるとも言えるでしょう。実際優秀な人材が2割を超えてしまうと、既得権のある人の地位が脅かされることになるのです。

これまで述べてきた2・8の法則。大企業になるとその2割の人材の優秀さが抜きんでていることが多いように思えます。言い換えれば会社を支えている2割の人たちの質が会社の規模や社会貢献度に繋がっているのです。大企業なら、その2割の人間の貢献度が絶大であることはいうまでもなく、定年まで役付きになれない社員でさえも場合によっては中小企業の役員以上の賃金が保障され、消化できないほどの休暇のある生活を送ることができます。きっと彼らが2割の人に養われていることなどつゆとも思いはしないでしょうかれど…。

2割の人材になりたいのか、それとも8割の衆の一人で甘んじるのか。まずは自分がどちら側にいるのかを自覚することから始まると思います。自分は食わせている人材なのか、食わせてもらっている人材なのか?その見極めから成長は始まるのではないでしょうか。







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会社と社員の「親孝行」について考える



誰しもが実感することですが、時を重ねるごとに、年数が過ぎるのが速く感じられるようになり、40代になって肉体的な衰えを多少感じるようになってきました。社会人としては、まだまだ働き盛り。気力体力共に衰え知らずと言いたいところですが、これからは心身の好不調とも折り合いを付けながら生きていかなければなりません。

自身の加齢とともに、当然にことながら親も年を重ねます。親元を離れ、帰省するのが年に数回となるとなおさら実感します。これまで育ててくれた恩に応えようとはしますが、何だか何もできないまま今になってしまったような気がします。これまで遠い日のことのように思っていた「孝行のしたい時分に親はなし」という諺のようにならぬよう、その恩に報いることができればと思っています。

ただ、ひとえに「親孝行」と言っても表現はひとぞれぞれだと思います。資金力があれば旅をプレゼントしたり、欲しがっていたものをプレゼントするのも親孝行でしょう。金銭的に余裕がなければ、まめに連絡するのも親孝行の形であると思います。そして、親元が近ければこまめに顔を出したり、年老いて単独の生活が難しければ介護するのも立派な親孝行だと思います。もっとも大事なのは、立派に成長して親御さんを安心させることに尽きるのかなと思います。金品でも嬉しいことには変わりありませんが、それは二の次のように思えます。

このテーマに触れようと思ったのは、週刊ダイヤモンドの記事で、「親孝行」を社員に義務づけると会社が好業績になる?というのを見つけたからです。

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この記事では、ばんどう太郎グループとフジ住宅が社員に「親孝行」を義務付け、結果的に会社の業績向上に一役買っているという話題です。経営者自身が「孝行のしたい時分に親はなし」を痛感しているがゆえのアイデアであり、親に対する感謝の念は仕事にも相通ずるという信念には深い共感を覚えます。多くの人は、親に感謝していることには間違いありません。しかし、その思いを素直に伝える機会のないまま、時が経ってしまう場合がほとんどで、後悔の念を抱いてる人も少なくありません。だからこそ会社が強制してでも親孝行をしろ、という施策は、社員が拒否しない限りは非常に面白いものだと思っています。


会社が強制する「親孝行」の勘違い


「そうか、親孝行は素晴らしい。業績も上がるのか。では我が社でも…」という経営者もいるかも知れません。某社の親孝行実践を取り入れることは大いに結構です。
しかし、初任給で親にプレゼントを買うことを義務付けても、会社の負担で旅行をプレゼントしても、そのこと自体に親は悪い気はしません。最も大事なのは、会社の業績が安定し、子供が社会人として成長し、経済的にも自立した立派な人間になることであって、それらが伴っていなければ、単なる会社の点数稼ぎだと思われても仕方がないのです。

例えば会社による新入社員の親孝行実践は、親は最初から会社の強制であることは百も承知であり、それでも、子供が形だけでも親孝行をしてくれることに喜びを覚えます。そしてたとえそれが強制によるものだとしてもそれを強制してくれた会社に感謝するでしょう。「我が子を預けてよかった」と思われるかも知れません。しかし、入社から年数が経ち、「会社の業績が悪い」「給料が上がらない」「毎日帰りが遅い」となると、本人だけでなく、親御さんまでもは「騙された」と思ってしまうのではないでしょうか。

どの会社でもそうですが、意気揚々と決意と夢を語る新入社員や、親御さんがあんなに会社に感謝していた社員が、気付いたらいなくなっているなんてことはありませんか?原因は、先に述べた「騙されていた」ように思う、つまり魔法が解けたことに気付いたからではないでしょうか。

何度も言いますが、親御さんが望むのは、子供が立派な社会人として自立することです。子供に親孝行を強制して一時的には会社に感謝してくれるかも知れませんが、そんな浅はかな下心はたちどころに見抜かれてしまうと思います。
「親孝行」の奨励はとても素晴らしいことですが、そこに虚栄心や下心があってはならないのです。






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「過去最高益」、あんまり燥ぐともっと厳しい冬が来る


近年はその勢いに陰りが見えるものの、アベノミクスは一定の成果を出していると思えます。企業の業績は改善し、雇用状況も一時と比べると随分と好転しているように思えます。もちろん突っ込みどころは満載ですし、万人を満足させる景気対策などできるはずもありません。近年の景気回復を実感できるのはまだまだ一部の大企業にとどまり、中小企業は依然厳しい経営環境に置かれていることがほとんどですし、雇用状況も非正規社員の問題など、政治が到底「弱者の見方」にはほど遠いところにいるのも事実です。いずれにせよ、2020年の東京オリンピックなどの特需があれば別ですが、日本は、人口減少時代が本格的となった昨今、このままでは徐々に国力は低下していくというのが避けられない未来であり、それを阻止する方策や、現実に訪れた際の準備を進めなければならない時代に差し掛かっています。ですから、ちょっと良くなった、ちょっと悪くなったで騒いでいる暇はないのです。

さて、このご時世にあっても、業績を伸ばしている元気な企業がある一方で、ちょっと前に「過去最高益」と鼻息を荒くしていた企業が非常に厳しい経営状態にある話も少なからず聞かれます。少し前なら2009年の日本綜合地所、昨年の第一中央汽船など少し前に勢いづいていた企業の倒産劇が挙げられます。

Office wallpaper
Office wallpaper / dan taylor


創業以来、常に増収増益を続けている企業であれば毎年が「過去最高益」ですから、それ自体に大きな意味はありません。それ自体が会社の至上命題であり、当たり前のように受け入れられているからです。成長し続けられる会社は、勢いのある時に問題を解決し、「もしも」のときの傷を最小限に抑え、成長を志向します。「いい時にこそ膿を出せる」ことが企業成長の大きな要因であると考えられます。

しかし、多くの企業は良い時もあり、悪い時もあります。それは、いくらシステムが整おうと企業経営が「人」によって行われる限り、成功もすれば失敗もする、ミスもすれば運やタイミングも業績大きく左右するのが世の常です。
大事なのは、「過去最高益を記録したあとに何をしたか」ということなのではないでしょうか。

プロ野球のストーブリーグで専ら話題となる「補強」など会社がしてくれるわけでもなく、お金がない、人がいないなど「ないない状態」で、かつ最高でも現有勢力での戦いを強いられる中、業績を出し続けるのは並大抵のことではありません。こうした環境で働けば、根性だけでなく問題解決能力など様々なスキルが身に付き成長できることは間違いありません。しかし、「心頭滅却すれば火もまた涼し」的な精神論だけではいずれ崩壊します。そもそも、こうした「無理」は短期間ならば効果があるかも知れませんが、永続的に続けることなど到底不可能なのです。

こうした社員たちの努力が実った結果の「過去最高益」であった場合、経営陣がまずやらなければならないのは、正当なる評価と労働環境の整備です。「過去最高益」の原動力となった「無理」にメスを入れ、待遇なり人員なりで補って、その勢いを持続させる…成長企業にあるように、勢いがある時に問題を解決することが求められるのです。

しかしながら、「過去最高益」の陰に隠れた社員の苦労は経営陣には見えているでしょうか。無論、会社の方向性にいち社員が口を挟むことなどできませんが、「過去最高益」に燥ぐあまりにその内実に目を背け、「新規事業だ!」と鼻息を荒くしてしまうところに落とし穴があります。もし、「過去最高益」を出すために生じた「無理」が幾ばくも改善されていないならば、同じように「過去最高益」を出すだけのハッスルが期待できるとは限らないのです。

経済学者の誰一人として経済予測を当てられないのと同様に、経営判断は非常に難しいものです。社員にとって攻め時、守り時の判断は経営陣に委ねるほかなく、その責任を背負っているからこそ経営者は尊敬を集めるのです。しかしながら、その「攻め時」の判断を間違ったとき、現場に大きな負担と澱んだ空気をもたらしてしまうことは肝に銘じるべきだと思います。

様々なことを犠牲にし、業績向上に貢献した社員たちへ労いの言葉をかけたり、表彰するなどといった報いは決して悪い気はしませんが、翌日から戻った現場には何も変わっていない日常が待っていたとしたら遠からず仕事の質は低下していくことでしょう。
経営陣が「さあ攻めるぞ!」と鼻息を荒くしても、現場にはそんな力は残されていなかったなどということは良くある話です。まるで大戦末期の日本軍のように…。

現場は、こうした「報われない日々」を過ごすことによって、「分かっていても体が動かない」悪循環に陥っていくのです。冒頭に挙げた2社は少なくとも経営陣と現場の温度差が倒産の一要因となったことは確かです。
「過去最高益」は、企業にとってはこの上ない褒め言葉かもしれません。しかし、この実績への固執が倒産リスクを高める可能性があることを肝に銘じるべきなのです。






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このご時世、順風満帆な企業などない!


2016年最大の経済ニュースは、日本最大級の総合家電メーカーであるシャープが、台湾の鴻海精密工業の傘下に入って経営再建を目指すことを決めたことだと思います。

ものの7、8年前までは、シャープを他の追随を許さない高度な液晶技術を引っ提げ、「攻め」の経営を繰り広げてきました。一時は世界市場を席巻した液晶テレビは、亀山工場で生産された「世界の亀山モデル」のシールの貼ってある製品は、ちょっとしたブランド扱いだったと記憶しています。

Sharp
Sharp / Matt Watts


あれから数年、薄型テレビ市場はサムスンやLGなどの韓国メーカーの価格競争に敗れ、日本メーカーのシェアは一気に縮小していきました。とはいえシャープの技術はテレビだけではありません。適切なタイミングで縮小および撤退を図って経営資源を他の部分に集中するという選択肢もあったはずです。

強力な成功体験を経験した企業は、その成功体験の強さによって沈む


しかし、悲しいかな、液晶テレビでの成功体験があまりに大きかったために、液晶抜きでの再建を試みる勇気がなかったのが最大の敗因となってしまいました。価格では海外メーカーに対応できない、これ以上の高画質はマニア以外は別に望んではいない…となればシャープに勝ち目はなかったのかも知れません。思えば、昨年10月にも、100年以上の歴史を誇る業界大手の海運会社である第一中央汽船が倒産しましたが、その原因も、中国バブルによってもたらされた成功体験を捨てられなかったことでした。「強力な成功体験を経験した企業は、その成功体験の強さによって沈む危険性がある」ということを痛感させられるような事例が立て続けに起きました。

今回のシャープや、現在粉飾決算に揺れる東芝、先に挙げた第一中央汽船など、実績もある歴史もある、少なくとも中小よりは優秀な人材が集まりやすい企業でさえも、時流を読むことができず、こうした間違いを犯してしまうのです。事が起こってから「ああすべき」「こうすべき」というのは誰でもできることで、大事なのは、危機に直面したときに、「ああすべき」「こうすべき」という智恵を働かせるべきなのですが、危機が明るみになった頃には「時すでに遅し」というのが現実だったのだと思います。

このご時世、順風満帆な企業などない!


日本が「アメリカ全土を買ってしまう」と言われたほど元気だったバブル時代は、公務員は安定している以外は給料も安いし面白くないと言って敬遠される傾向がありました。これは、日本の景気が右肩上がりで、会社員が公務員よりも遥かに待遇の良かった時代の話です。それが今や、形勢逆転!安定していて給料の高い公務員は今大人気の職業です。

Boeing 777-200 JAL spooling up for takeoff...
Boeing 777-200 JAL spooling up for takeoff... / wbaiv


この事実だけではありませんが、世の中は常に変化していて、少なくとも社会人として働いている40年あまりの間に、少なくとも数回は大きな変化が起こっている筈です。日産自動車は1999年に倒産寸前まで業績が落ち込み、日本航空は2010年に破たん、パナソニックは2012年に7000億円もの赤字を抱え経営危機が叫ばれていました。今でこそ元気な企業でも、少なからず大きな危機を経験しています。「このご時世、順風満帆な企業などない!」というのが現実なのです。

トップの放漫経営や、あからさまな舵取りの失敗のような因果関係のハッキリとしているならば打つ手もあるのでしょうが、どうな健康な人でも時に病気にかかるように企業が経営危機を迎えるのはむしろ自然のことと考えた方がいいかも知れません。


となると、働く側も「会社が守ってくれる」などという幻想は捨てて、○○株式会社というプライスタグがぶら下がっていなくてもやっていけるだけの能力を身に付けておく必要があると思います。大企業でもこのご時世一寸先は闇。ならば、社内でのキャリアアップはもちろんのこと、いざ会社から放り出されたときにも引き合いのあるだけの実力をつけておくことが、自分自身を守ることにもつながっていくのです。


数十年前は、バカにしていた「Made in Taiwan」も今や、シャープのスポンサーになるほどまでに成長を遂げています。戦時中アメリカのアニメ「ポパイ」で壊れた製品の残骸に「Made in Japan」と記してあって「ああ、やっぱりね」とポパイがつぶやくシーンがありましたが、日本がその後大きく成長したように、台湾も同じく成長途上にあります。
鴻海精密工業の傘下に入ったシャープは、鴻海の文化に触れ、もしかするとかつての「ものつくり」に没頭した原点を思い出すかもしれません。シャープが経営に行き詰ったことは残念ですが、今回の買収劇は、シャープにとっても大きなチャンスのように思えるのです。








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第一中央汽船が倒産!誰もトップの暴走を止められなかったのか?(2)


■関連記事
第一中央汽船が倒産!誰もトップの暴走を止められなかったのか?(1)(2015.11.02)
第一中央汽船が倒産!誰もトップの暴走を止められなかったのか?(2)(2015.11.09)

2015年9月29日、海運大手の第一中央汽船が東京地裁に民事再生法の適用を申請し事実上倒産しました。負債総額は同時に破たんした子会社のSTAR BULK CARRIERも含め2000億円にのぼるとされ、今年最大、海運業では1985年の三光汽船に次ぐ史上2番目の企業倒産となりました。

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第一中央汽船は、かねてから破綻の危険が取り沙汰されていましたが、近しい関係者以外は「まさか」倒産するとは思っていなかったでしょう。船主や港湾関係者は、時間の問題と呼んでいたらしいですが、いわゆる「背広組」の社員にとってまさに青天の霹靂だったかも知れません。

商船三井が抱えた時限爆弾 第一中央汽船が資金集めに奔走
ダイヤモンド オンライン 2013.01.24

「サンデー毎日」によると、第一中央汽船の倒産に至る舞台裏には用船契約する船主、地方銀行、大手信託銀行などとの間で神経戦が繰り広げられたようです。

地方創生を旗印にする安倍政権にとって、雇用への影響を含め地方経済を揺るがしかねない大型破綻は避けたい。だが、最後は官邸もサジを投げた。破綻の引き金を引いたのは、申請前日に出された大手信託銀行による債権の回収通知(担保権の行使)だった。

第一中央汽船倒産のウラ事情
サンデー毎日 2015.11.01

メガバンクの不良債権処理や、日本航空の再建など企業規模が余りに大きく破綻の際の社会的影響が著しい場合には国が公的資金を投入して救済するケースもありますが、沈みゆく第一中央汽船に官邸からの助け舟が出ることがありませんでした。第一中央汽船の倒産は当然のことながら同社に留まらず、関連会社や船主など多くの企業の連鎖倒産を生むことは必至ですが、倒産の原因は身の丈を超えた過剰投資、経営判断のミスであることは明白ですから、その尻拭いをすればキリがないという判断を下したのかも知れません。この倒産劇を「アベノミクス」に求める声も上がっていますが、この責任までなすりつけられては安倍首相も気の毒という他ありません。

第一中央汽船は、現在は商船三井の傘下にありますが元々は住友グループの船会社。ですから鹿島、和歌山、小倉にある住友金属の主力製鉄所への鉄鉱石の輸送が大きな収益の柱だったはずです。しかし、2012年10月に住金は、業界最大手の新日鐵と統合。とは言いながら現実は住金は新日鐵に呑まれる形の吸収合併。合併から3年が経ち、住金の面影は徐々に薄れつつあります。社名から「住金」が消える日もそう遠くはないでしょう。とすれば、原料調達は新日鐵系列のNSユナイテッド海運に一本化することは自然の流れで、第一中央汽船はその煽りも大いに喰ったとことは想像に難くありません。

一汽の倒産劇は、様々な示唆に富んでいる


第一中央汽船は前任の社長の「神の声」の下、拡大路線に舵を取った結果、破たんの道を転がり落ちました。一汽も120年の歴史の中で様々な危機に直面し、その都度乗り越えてきたと思います。しかし、いわゆる「外様」の社長の鶴の一声によって数年も経たずして破綻の憂き目に遭うことになりました。一世紀も続く企業など世界から見ても奇跡的なことなのに、潰れるときは何と簡単なことか…「破壊は一瞬、建設は死闘」はまさにこのことだと思います。
これからの一汽の経営再建は茨の道と言えるでしょう。オイシイ事業は売り飛ばして残りは精算という筋書きが既定路線のように思えますが、多くの関連企業や従業員の行き先がなくなる恐れも大きくその影響は極めて甚大です。この2015年最大の倒産劇は様々な示唆に富んでいることも私たちは学び取るべきだと思います。

会社経営はよく航海に例えられることがあります。会社が船。社員はクルー。クルーは航海士と機関士がそれぞれの責務を果たしています。そしてブリッジは役員室。そのトップたる船長が社長にあたります。そして気象や地形との自然条件が「景気」と言えるでしょう。景気は天候や地形と同じく同じものなどひとつもなく、その中で適切な判断を下しながら安全航行に努めるのが船長の役割です。この安心感があるからこそクルーはそれぞれの職責を全うできるのです。ただその船長もやはり人の子、いくら「神」のような存在だったとしても必ずしも正しい判断を下しているとは限らないのです。

会社も船と同じ。クルーたちは船長の指示の下に行動しいざと言う場合には運命を共にしなければなりません。いわばクルーは船長に命を預けているのです。会社にしてもそう。「会社」という船の運命は社長に委ねられていて働く従業員たちは社長に命を預けているのと同じことなのです。ですから、もし船長=社長の判断がもし誤ったものであるとしたら、それを全力で阻止するのも、失敗と気付いたときに早めに手を打つ具申をするのは周りを固める経営陣の役割です。第一中央汽船には、親会社から迎え入れた「神」が社長だったとしても、氏を諌めることができなかったのが倒産の大きな要因だったと思われます。

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テレビ朝日の人気番組、しくじり先生で講師を務めた方々の数々の武勇伝を聞くと、「しくじった」方々の危険の兆候は全盛期に表れていることを見て取ることができます。第一中央汽船がリーマンショック後に敢えて攻めの戦略をとったとき一時は過去最高益を記録したのだそうで。しかし、その攻めの姿勢が仇となり破綻の道を転げ落ちました。

事業を急拡大したり、自社ビルを建設したり、収益を生まない本社機能を「社格を上げる」という最もらしい理由で煌びやかなものにした企業が途端に転落の道を歩む話は枚挙に暇がありません。それこそ、「危機の兆候はその全盛期にある」ことの証ではないでしょうか。
第一中央汽船を倒産に追い込んだ小出三郎前社長は今は親会社の商船三井の顧問を務めているそうです。結局、船と運命を共にすることはなかったのです。何だか船が沈む前に下船したどこかの船長のようで複雑な思いです。この現実を、第一中央汽船の共に沈んだ従業員たちはどんな思いで捉えているのでしょうか。

「長の一念」とはよく言ったもので、組織を活かすも殺すもそれは長の気持ちひとつで何とでもなるのです。その判断が誤っている、すなわち「組織を殺す」ものならば、異を唱えられる、改めて議論できる自浄作用の働く組織であれば今回の倒産は避けられたのかも知れません。








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