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【iCube】VRはプロ野球を変えるのか?


「努力したから成功するとは限らないが、成功した人は間違いなく努力している」という旨の金言は飽きるほど聞かされていると思いますが、これはスポーツの世界にも当てはまります。練習したから上手くなるとは限りませんが、大成した選手は間違いなく血の滲むような練習をしています。

私たちがアスリートの姿に触れるのは試合のほんの短い時間です。アスリートたちは試合に臨むまでに練習とコンディショニングに全てを捧げます。それでも、力を出し切れる選手、出し切れない選手と明暗が分かれる訳ですから現実は残酷だということは痛く思い知らされます。

アスリートにとって、練習の日々が日常、試合が非日常であって、その非日常の試合でどれだけ日常の成果を出せるかが成否を分けるカギとなります。たとえ天性の才能に恵まれた人であって本番委結果が出せるかはもいかに(練習で)いい準備ができたかに掛かっているのです。
しかしながら、限りない可能性を秘めた…もしかすると他の才能もあったかもしれない、もっと同年代の人たちがするような遊びや恋も経験したいかもしれない時代にその時間の大部分を練習に費やすのには、強靭な精神力が要求されます。自身が関わる競技に誇りを見出し、全てを捧げるくらいの覚悟があってこそ、第一線のアスリートが務まるのではないかと思います。

ただ、永遠にも思える途方もなく長いルーティンを積み重ねていき中でいつしか、それが「練習のための練習」となり、肝心の「試合」が置き去りにされてしまうことも少なくないのです。「努力したから成功するとは限らない」という言葉の真意も、こうしたことからもそれが「正しい方向を見ているか」を問うていることが見て取れます。
そんな中、多くのアスリートができるだけ実戦に近い環境で練習するよう試行錯誤をしてきたと思います。投手であれば、ブルペンでも打者がいるイメージを持って投げてみたり、様々なシチュエーションを想像しながら意図した投球ができるか試したり、打者であれば、打撃投手を「仮想〇〇」としてイメージしたりと、あくまで想像力を働かせての工夫に留まっていました。これまではこうした「イメージ力」の強い選手は、おそらく有利だったと思いますし、これは身体能力を上回る「センス」であると思います。
しかし、今年、ついにプロ野球の練習にもVRが取り入れられることになりました。


ベースボールトレーニングVRシステム「iCube」日本球界初導入(2017/3/1)

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手の能力向上やチーム力強化を目的としたVRシステム「iCube(アイキューブ)」を2017年シーズンから導入することになりましたので、お知らせいたします。なお、本システムの導入は、日本球界初となります。
「iCube」はアメリカ合衆国のベンチャー企業であるEON Sports社が開発したVR(バーチャルリアリティ)を用いて行う最先端のベースボールトレーニングシステムです。
2015年より横浜スタジアムに導入しているボールトラッキングシステム(トラックマン)に蓄積されたデータに加え、撮影した映像を組み合わせ実際の投手の投球をリアルに再現。
プレーヤーはヘッドマウントディスプレイを着用することで圧倒的な臨場感の中、投球の速度、球筋、ノビ、変化球のキレなどをリアルに体感することができる他、蓄積されたデータの中から対戦投手や球種などを自由に選択できるため、試合に向けたより実践的な準備をすることが可能となります。


これまで想像でしか再現できなかった実践感覚をVRで再現し打撃練習に取り入れる画期的なシステムを横浜DeNAベイスターズが導入するというニュースを聞き、さすが進取の気性に富んだ企業のすることだなと感じました。重鎮の皆様には想像だにできない練習方法ですが、かれらの類まれなき「勘ピューター」よりも遥かに精度の高い実践環境がこのiCubeで再現されるのです。

現在も使われているフライトシミュレーターやレーシングシミュレーターも操作手順等を習得するには有用でもやはり実際の飛行や走行を完全には再現できないと聞いています。同様に、このiCubeも当然のことながら完全再現ではないと思いますし、ましてやこちらは人が主体の競技ですから、触覚や質感、場の空気も含めて試合の臨場感を再現はできないでしょう。しかし、これまでのシミュレーター同様、ボールの軌道やスピード感、配球パターンなど、実践イメージを後押しするのに十二分な情報量があると思います。ある程度一軍で登板した投手にとっては試合前に手の内は丸裸にされているわけですから投手受難の時代到来とも言えそうですが、そこは実際は人間対人間の勝負ですから、どういった結果となるかはシーズンが始まってみないと分かりません。

あくまで個人的な意見ですが、私が贔屓にしているベイスターズがiCubeの成果を通じて打棒が輝きを放てばうれしく思います。またいち野球ファンとしては、iCubeを上回る投球術を各球団のエースが披露することによって投打ともにレベルアップすればいいなと思っています。選手の大型化が進んでいると言っても、欧米人と比べるとまだまだ身体能力には劣る日本人。彼らと対等以上の勝負をするためには後にも先にも頭脳戦しかありえないのです。

とにかく、2017シーズンの楽しみがひとつ増えました。開幕が楽しみです。






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【球春到来】プロ野球12球団、いよいよキャンプイン


2月1日、球春到来。いよいよプロ野球12球団が一斉にキャンプインします。10月のペナントレース終了後、CS、日本S、侍ジャパン壮行試合に、秋季キャンプと、シーズンオフとは言え決して野球を離れていたわけではないので、束の間のオフシーズンにリフレッシュとメンテナンスを行い、1月の自主トレで慣らし運転を行い、キャンプでいよいよ再始動といった感じでしょうか。一昔前と比べれば、トレーニング理論が発達しした上に、オフをいいことに遊び呆ける選手も少なくなったので、キャンプインでさえ選手にとってはひとつの節目に過ぎないのかも知れません。

しかしながら、食うか食われるかの激しい競争に晒されている世界ですから、キャンプは技術や体力の向上のみならずレギュラー奪取に向けて絶好のアピールの機会。数少ないチャンスをモノにする運や集中力もプロで生き抜いていく実力のひとつです。ですから、たかがキャンプ、されどキャンプ、彼らにとっては一日一日が勝負の日々が続くのです。


今年は開幕前にワールド・ベースボール・クラシック。DeNAは?


そして今年は開幕前にワールド・ベースボール・クラシックが開催されます。侍ジャパンには、ぜひとも頑張っていただき、世界一を奪取してもらいたいと思いますが、日本の威信をかけてWBCに挑んだメンバーがいざシーズンを迎えてどのような影響が出るかが心配です。

2006年のWBCでは侍ジャパンの世界一に貢献した多村仁選手が、ストライクゾーンの違いから絶不調に陥り、クロスプレーの際に肋骨を4本骨折してシーズンを棒に振ったのは有名な話です。
また、村田修一選手も、準決勝の韓国戦で一塁ベースを回った瞬間に肉離れを起こし、前半戦は欠場を余儀なくされました。
日の丸を背負うことは、誇りであり、何物にも代え難い価値あるものであることは確かですが、それによって負ったケガや、シーズンへの影響は保障されることはありません。日の丸を背負う名誉と引き換えに、プロ野球選手としての選手生命を差し出すのは酷なようにも思えます。かつて中日、落合博満監督がWBCの選手派遣に協力的でなかったのも一理あると言えそうです。

ただ、個人的に言わせていただければ、ベイスターズから選出されたのは筒香選手のみ。繊細な感覚を大事にする選手ではありますが、コンディションやストライクゾーンを言い訳にする選手ではありません。侍ジャパンのクリンナップを背負う責任感や他球団の選手から刺激を得て、却って大きくなって帰ってくるように思えてなりません。

キャンプ、オープン戦とペナントレースに向けてチームの状態が上がったときに、世界を相手に戦ってきた筒香選手が、打順だけではなく精神までも「不動」の4番となってそのピースに加わることで、ベイスターズが2017シーズンも十分に戦える力が整うと思います。

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2016年、初のCS進出。第1Sを制し、第2Sでも王者カープを追い詰めたベイスターズにとっては、優勝争いを繰り広げて、「強豪」としての地位を盤石なものとしたいところ。山口投手の巨人移籍は痛手ながらも、それをバネにして戦ってほしいです。内川選手、村田選手、藤田選手…ベイスターズを出て移籍先で日本一を経験した彼らがいなくても、番長三浦投手が一勝もできなくても、昨年はAクラス入りを果たしました。絶対的な力をもつ選手だけに頼らなくても、チーム一丸となて勝利を手繰り寄せてきたのがベイスターズです。ですから、今年はキャンプインから大きな期待を持って見守りたいと思っています。

…とは言え、毎年この時期は期待に胸を躍らせる訳ですが、開幕を機に徐々に下方修正し気付いたら最下位なんてことも珍しくはありませんでした。今年こそは、夢が10月まで続くことを願っています。









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【横浜DeNA 2016シーズン終了】初めてのCSでも大健闘、来年こそは…


2016年、クライマックスシリーズ・ファイナルステージを制したのはセパ両リーグともに首位追加のカープとファイターズ。この時期になると事あるごとにCSの問題点が指摘され、廃止を訴える評論家の声もひときわヒートアップしますが、仕組みはどうあれ、首位のチームが無条件に強いということが今年も実証される形となりました。

CSの問題点は幾度も指摘され、頭では「そりゃそうだ」と分かっていても、CSにすら出場したことのないチームにとっては、まずはAクラスに入ってCSの出場権を獲得することは大きな目標となります。苦節10年、ようやくその権利を得たのが他でもない横浜DeNAベイスターズというかつては球界最弱の名をほしいままにした球団なのです。

2011年オフの球団誕生時からの一つの目標であったポストシーズン進出が達成され、いよいよ「優勝」という言葉も口にしても恥ずかしくないステージに差し掛かりました。しかし、これまでの長い長い暗黒時代の反動からか、CS進出を心待ちにしたファン、そして球団の経営努力によって獲得した新しいファンが融合した今までにない異様な盛り上がりを見せていました。

古くからのファンならば、ちょっと勝ったくらい、たまたま順位が良かった年などは、決して嬉しくないわけはないのですが、「次はいつ負けるのだろう?」「どうせ長くは続かない」などネガティブな感情が先走って手放しで喜べないところもあったのではないでしょうか。勝ってほしい、強くなってほしいと長いながらも、叶わぬ夢と諦めかけていたふしはないでしょうか。98年もそうだったのですが、強くなったら強くなったでどう喜んでいいかも分からず、気付いた時にはまた弱いチームに戻っていた…。そして98年の記憶はいつか患った熱病のように、脳の遥か深い部分に追いやってしまったような気がします。

それが、2016年は堂々のAクラス。そしてクライマックスシリーズでは球界の盟主、巨人軍に挑戦という一昔前には信じられなかった夢の対戦が実現しました。

1勝1敗で迎えた1S最終戦。東京ドームに足を運んできました。

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ビジター応援席のチケットは、開始後即完売。即座に高値で転売されているのを見て殺意が沸いてきましたが、Eプラスは、キャンセルが出た分は再販されますので、粘り強く待ってやや一塁側ですが、内野二階席のチケットをゲットすることができました。

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かつては、横浜スタジアムのライトスタンドまでオレンジで染まっていた時代は今は昔。10月10日の東京ドームは半分以上が青く染まっていました。声量も圧倒的で、屋根付きの球場内には地響きがするような歓声が轟いていました。長い冬の時代、ガラガラのスタジアムを知る者にとっては、青く染まったスタンドを見るだけでも涙が止まらなかったと思います。勝負事はどうなるかわからないけれども、選手とファンがこれだけ一体となって歩んでいけば遠からず優勝できるのではないかという根拠のない自身が沸いてきました。

試合は両者死力を尽くした好ゲーム。バックネット裏二階席で感染する我々はフライが上がるとなかなか目測がつかず、そのたびにドキドキしていました。一進一退の好ゲームにケリを付けたのが伏兵嶺井選手であったことも今年の勢いを象徴する光景でした。

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試合後も東京ドームはまるでホームであるかのような盛り上がりを見せ、後楽園界隈は青いユニフォームの人たちで溢れかえっていました。これは長かったベイスターズの暗黒時代の終わりを告げると同時に、セリーグがどの球団にも優勝の可能性がある戦国時代に突入したことを意味しているのではないでしょうか。
ほんの少し前まで最下位争いをしていたカープとベイスターズが日本シリーズをかけてファイナルステージを戦いました。5年前こんな日が来ることを誰が予想したでしょうか。

ベイスターズはファイナルステージで敗れましたが、いよいよ来年は優勝を公言して憚れないほどのステップアップを果たしました。来年、選手は初めて、ファンは19年ぶりとなるしびれる優勝争いが繰り広げられることを切に願っています。






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さらばハマの番長、三浦大輔 今度は指導者として


横浜DeNAベイスターズ初のCS進出の歓喜の熱も冷めやらぬ9月20日、長きに渡って最後の大洋戦士、そして98年のV戦士、そして長きに渡ってエースとして戦ってきた三浦大輔投手が現役引退を表明しました。

三浦投手は、91年ドラフト6位で横浜大洋ホエールズに入団。昔ながらの野球ファンならお馴染みですが、93年より大洋ホエールズは親会社の新CI導入と、メジャーリーグのような市民球団を目指す方針から「横浜ベイスターズ」に球団名を一新しました。つまり三浦選手は、横浜大洋ホエールズとして入団した最後の選手であり、そして2016年までプレーし続けた最後の選手でもあったのです。

そして三浦投手のプロ入り初登板は92年10月7日。この日は、ファンの間から神と崇められてきた大エース、遠藤一彦投手の引退試合であり、戦後より連綿と歴史を重ねてきたホエールズのラストゲームでもありました。奇しくも今のDeNAベイスターズへと繋がっているチームの最大の歴史の潮目に初登板したルーキーが、以降20年以上も球団を支える大投手になるとは思いもしませんでした。

ベイスターズが日本一になった98年前後はともかく、この球団はBクラスが指定席の球団。前人未到の400勝をあげた金田正一投手(国鉄)が実は298敗しているように、弱小チームのエースは勝ち星を挙げるのが実に難しいのです。
快調に投げている日は打線の援護がなく、後半捕まって救援陣に託すと彼らが打ち込まれたり、と少し強い球団ならばもっと勝っていただろうに…と思うこともあります。三浦投手の自己ベストはシーズン12勝、通算成績も172勝、182敗、記録だけを見れば「大エース」としては物足りない部分もありますが、無援護の中を言い訳もせずに孤軍奮闘し続ける姿にファンたちは胸を打たれ、どんなことがあっても声援を送り続けたのです。

そして、三浦投手の一面を最も表しているのは2008年のFA横浜残留だと思います。三浦投手は関西出身、しかも提示した条件は阪神の方が上、しかも優勝の可能性が高いとなると、プロ野球選手としては阪神に移籍するのは当然の結果です。ですから、心情的にはともかくとして、ソフトバンクで成功した内川選手、巨人軍で成功した村田選手を当然の選択をしたまでです。しかし、そこで、あえてファンや仲間たちへの思い、何よりも、横浜で優勝したいという思いで残留を決めた瞬間はファンの間では涙なしでは語れないエピソードとなりました。

こうしてハマの番長として名実ともにチームの顔になりましたが、この時代ベイスターズは末期的な暗黒時代。個々の選手がタイトルを取ったりしても勝負にならず、絶望的な時代を送っていました。このとき三浦選手は30代半ば、そろそろ肉体的な衰えが囁き始めている頃でした。

2010年シーズンは、アナライジング・ベースボールを標榜した監督に就任した尾花監督を以てしても浮上にはつながらず、笛吹けど踊らず黒星を重ねていました。そんな中、FA宣言後の長期契約による安心感もあったのかも知れません。このシーズン、三浦投手は精彩を欠いていました。時折、顔を出す大乱調はある意味三浦投手の持ち味ですので、驚きもしませんが、どうもこの年は「衰えたのかな?」と思わせるほど今一つで、長い二軍生活を送っていました。

私はベイスターズファンとは言え、何度も球場に足を運べる身分ではありませんが、この年、シルバーウィークの最中の9月20日広島戦のチケットを入手できました。予告先発のない時代、各紙の先発予想を覆して尾花監督が用意したサプライズは「先発、三浦大輔」でした。

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しかし、この日の三浦投手の直球の急速は140キロはおろか130キロ中盤にも届かず、変化球も決まらない状態。先発投手の責任は果たせずにマウンドを降りました。写真からわかりますが、シルバーウィークの真っただ中なのに内野席はガラガラ、そして三浦投手が再三招いたピンチの最中にも野手は誰一人として声をかけている様子はありませんでした。これは当時のチーム状況を物語っています。

この時、「番長ももう見納めか」と直感しましたが、三浦投手は不死鳥のように復活。二けた勝利は挙げられませんでしたが、以降34個の白星を重ねました。

この復活劇は三浦投手が引退会見の際の「自分のユニフォームを着ている人を見ると『絶対復活してやる』と思う」言葉に集約しているように思えます。

正直、もっとやって欲しいという思いはあります。しかし、それはプロとして当人の決断ですから、無理にでも納得せざるを得ません。ただ、プロ生活25年間は、きっと辛かった、苦しかった日々の方が多かったと思います。この時代を支え続けてきたハマ大エースに拍手を贈りたいと思います。

三浦投手の「もう一度横浜で優勝したい」という夢は選手として後輩たちが、そして三浦投手自身は指導者として実現して欲しいと思っています。そして、第二、第三の「星を継ぐ者」を育成して欲しいです。
三浦投手、とにかくお疲れさまでした。29日の最終登板で有終の美を飾れることを切に長い、応援したいと思います。











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おめでとう横浜DeNA! 悲願のCS初進出



横浜DeNAベイスターズ、CS進出おめでとうございます。

1998年のセリーグ制覇・日本一に横浜の街が熱狂の渦に包まれてからもう18年が経ちました。当時、優勝の美酒に酔いしれたファンの多くがこの黄金時代が長く続くものと疑っていませんでした。
しかし、高騰する年俸、98年V戦士の度重なる放出など、「驕れる者は久しからず」を地で行くような凋落ぶりで、2002年にはぶっちぎりの最下位に転落。ここから長い長い冬の時代に突入しました。

21世紀、ベイスターズが経験した冬の時代は、非常に根の深い問題を抱えており、一度リセットする必要があることは誰の目にも明らかでした。そのとき、当時の親会社TBSが選択したのが「身売り」で、ゼロどころかマイナスの状態から球団を引き取ったのが、DeNAでした。

ファンからすれば、球団が存続したことに胸をなで下ろした半面、新興IT企業のDeNAが親会社になって「大丈夫か?」という疑念も少なからずありました。しかし、「継承と革新」スローガンに掲げたDeNAは、旧来のチームをそのまま引き継ぐ形で、徐々に改革を推し進めていきました。そして、ファンの疑念を払しょくしたのは地域密着の姿勢とファンサービスでした。

YOKOHAMA STAR NIGHT
YOKOHAMA STAR NIGHT / taka_suzuki


チームの雰囲気は明るくなり、観客動員数は右肩上がり、あとはチームが強くなれば…これが最も肝心なのですが、5年目の最後に残された課題は悲願のCS進出だったのです。
ベイスターズはポストシーズン導入後の出場経験のない唯一の球団、すなわち導入後一度もAクラスになったことがないことを意味します。まずはAクラスに入ること、CSに出場することが、「普通の球団」として認められる第一の壁だったのです。

DeNA参入後、強化の成果は随所に現れていますが、順位は6位、5位、4位、6位と振るわず。強化に向け種をまき、水をやり続けた中畑清監督は志半ばにしてチームを去りました。

しかし、ついに5年目となった今年、9月19日、CS出場が確定しその目標が結実する日を迎えました。まだまだ粗削りなものの、チームは着実に強くなっているように思えます。攻撃は球界を代表するスラッガーに成長した筒香選手を中心にまとまり、投手陣は、山口、久保、井納投手を中心に、今永、石田、砂田投手といった若手が成長し、早々に試合を壊すことが少なくなりました。この球団は監督がコロコロ変わって方針や戦術が一貫しないことが弱さの原因でしたが、中畑監督を引き継いだラミレス監督はチームをきちんと継承した上で自身のエッセンスを注入しているのが見て取れ、球団の一貫した強化方針を見て取ることができます。

4年連続で90敗を超え、100敗も夢ではないとまで言われたセリーグのお荷物球団が、ここまでの躍進を遂げるとはファンも予想だにしていませんでした。でも、冬の時代を知っているだけに勝てば勝つほど不安になるのがファンの性。前回の優勝時と同じような轍を踏むことはないだろうとは思いますが、勝つ喜びをどう表現していいのが分からないのが分からないほど、この球団は勝利の美酒から遠ざかっていたのです。

来月始まるCSは、選手たちも初めての経験ですから浮足立つかも知れません。相手となる巨人、もしかしたら次の広島はペナントレースではほぼ5分の戦いができていますので、思わぬ力を出すかもしれません。長年のファンである私も予測不可能というのが正直なところです。ただ、言えることは、今回のCS出場の経験は球団にとっても選手にとっても掛け替えのないものになるということです。そして来年は目標を聞かれたら「優勝」を公言して憚ることはないのです。

CSまで残されたペナントレースは4試合。この戦いぶりもCSの行方を左右すると思います。手綱を緩めることなくこのままCSまで突っ走ってもらいたいと思います。








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